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ヒロミ

真っ暗な重いカーテンが目の前に下りてきたような感じだった。
全身の力が抜けてしまったようで体がバラバラになっていくようだった。

最初は事態がよく理解できなかったが次第に周りが見えるようになってきた。
そして何が起こったのかを再び理解すると激しい悲しみが襲ってきた。

ヒロミの目から涙が溢れてきてそれは頬の丘をゆるやかに曲がり床にポタポタと水玉模様を作った。
ヒロミはその水玉模様のできる様子を放心状態で眺めていた。


アキラの声がしている。。。

ヒロミはそう思ったが振り返ることもできずただ泣いていた。


青い魚は自分だと思っていた。
私たちは似た者どうしよね?といつも問いかけていた。

青い魚はなぜ死んでしまったのだろう?
アキラが餌をやり忘れたから?
寂しかったから?
青い魚が死んでしまった今、私もダメになっちゃうの?
この部屋の中でひとりぼっちで寂しくて死んでしまうの?

ヒロミの頭の中でいろいろなことが思い出され、それがすべて涙となってヒロミの目から溢れていくようだった。


しんじゃったね。。。


そばにいるアキラに話しかけたつもりだったがアキラに聞こえたかどうかわからないような小さな声だった。
アキラがスーツに着替えているのがわかった。


やっぱり仕事に行くんだ。。。


仕方ないことだと自分に言い聞かせた。
でもやっぱり寂しい。。。


玄関ドアの閉まる音がした。
音のない部屋にヒロミはポツンと取り残されたような気分になった。
青い魚がいなくなった今本当に一人ぼっちになってしまったんだと思うとまた涙が溢れてきた。


ヒロミは何かの終わりを感じていた。

小説 青い魚(下書き)

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上司(2008年3月20日)
転機(2008年3月18日)
夕焼け(2008年3月 5日)
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